寄席音曲の名手・柳家小菊師匠
寄席音曲の名手・柳家小菊師匠

お台場寄席より録音(19分03秒) 柳家小菊師匠
今日(2009.6.7)は出身高校・都立武蔵高校の同窓会総会に行きました。
総会は、例年通り、武蔵高校の下車駅・JR中央線武蔵境駅北口のすぐ近くにある
武蔵野スイングホールで開催されました。
総会議事終了後のアトラクションは、各界で活躍されている武蔵高校の卒業生によるイベント。
今年は、後輩の柳家小菊師匠の三味線弾き唄いのミニライブ。
小菊師匠は、寄席にはなくてはならない楽曲の名手です。
小菊師匠が舞台に登場されると、
満員のスイングホールのイベント会場は、江戸情緒豊かな艶な雰囲気に包まれました。
なお、冒頭に掲載した楽曲は、当日の録音ではありません。
当日はレコーダーを持参しなかったため、インターネットで公開されているものを使用させて頂きました。
柳家小菊師匠 ミニライブ (写真提供:武蔵高校13回生 Nさん)
柳家小菊さんのライブはいつも大人気で、すぐにいっぱいになるそうですが、その唄を初めて聞きました。
可愛げさと面白みに満ちて、かつ色気が漂っていました。粋曲が初夏の清涼剤になりました。
柳家小菊師匠は落語協会に所属し、東京の寄席を中心に、
新内と端唄、俗曲、都々逸などを演奏して観客の心を酔わせていますが、
目指すは「江戸の音色で大人のラブソング」とおっしゃっています。
江戸・明治・大正・昭和と、楽曲師が寄席で歌い継いできた流行歌の数々。
今絶好調の柳家小菊師匠の唄と三味線とおしゃべりで、
総会の終わった会場は、華やかで色っぽい雰囲気に変わりました。
同窓生からアンコールのリクエストあり。
師匠曰く、寄席楽曲のアンコールなんて初めてです!
以下、柳家小菊師匠のプロフィールです。
生年月日: 不明(本人は知っていると思いますが!)
本名: 不明(本名はあると思いますが!)
所属: 落語協会
芸種: 粋曲(寄席楽曲)
出身地: 東京都府中市
出身校: 都立武蔵高校、早稲田大学文学部
芸暦:1973年 柳家紫朝(鶴賀喜代太夫)に入門
1979年 新内師範として鶴賀喜代花の名を許される
受賞暦:1976年 ゴールデンアロー賞 新人賞
1977年 フジサンケイグループ放送演芸大賞 ホープ賞
CD: 「江戸のラヴソング」弾き語り寄席のうた (ソニーミュージック SICL148)
趣味: パッチワークキルト、スポーツ観戦(観るだけ)
近況:東京の寄席を中心に新内と端唄、俗曲、都々逸などを演奏。
めざすは「江戸の音色で大人のラブソング」。
住吉木遣り連「大江戸小粋組」の一員として木遣りと住吉踊り(*)でも活躍中。
リンク:「住吉木遣り連 大江戸小粋組」(サポーター:永六輔)
http://udanji.cool.ne.jp/profile/koiki.html
(*)「住吉踊り」は、大阪・住吉神社の神事に由来し、江戸に"入府"して「かっぽれ踊り」となり、
これを古今亭志ん朝が、寄席の余芸として復活させた伝統芸能だそうです。
「かっぽれ」に「奴(やっこ)さん」「あねさん」など、粋で洒脱な踊りの数々を披露し、
浅草演芸ホールの夏の風物詩となっています。
CD: 「江戸のラヴソング」弾き語り寄席のうた
曲目
1.梅は咲いたか
2.欽来節
3.蛙ひょこひょこ
4.長崎ぶらぶら節
5.羽織着せかけ
6.涙かくして
7.都々逸(一、二)
8.二上がり新内
9.淡海節
10.両国風景
11.木遣りくずし
12.深川くずし
13.伽羅の香り
14.都々逸(三、四)
15.とっちりとん
16.年中行事(春雨)
17.相撲甚句
18.博多どんたく~どんどん節~奴さん
19.明神の御祭礼
20.せつほんかいな
21.楽屋のおはなし-解説文に代えて
CD録音:2006年3月8日/9日
「小菊をきく会」(国立演芸場ライヴ)
柳家小菊(唄・三味線ひき語り)
ここで、江戸端唄の名曲「木遣りくずし (きやりくずし)」の歌詞を
手持ちの故・江利チエミさんの古いLPレコードから、少しばかり転載します。
現在、端唄は非常に少なくなっています。
端唄は庶民が口ずさんだ、今で言う流行歌みたいなものです。
この歌の中には
庶民の生活、日々の情景、江戸の風情、恋歌、色々な要素があります。
--- 木遣りくずし ---
格子造りに ご神燈下げて
兄きゃ家かと 姐御に問えば
兄貴ゃ二階で 木遣りの稽古
音頭取るのは アリャ 家 (うち) の人
エンヤラヤ サノヨーイサ エンヤラヤ
エンヤラヤレコノセー
サノセー アレワサ エンヤラヤー
江利チエミさんのバージョンは、かなりアレンジしてあって、
ラテン系の味付けになっていますが、江戸端歌にうまくマッチしています。
小菊師匠は、とても威勢よく歌われています。
この唄は、江戸の鯔背(いなせ)な[粋で勇み肌の]若衆[若者]の
祭りに掛ける心意気を謳いあげています。
日頃木遣りの稽古に励み、祭りの本番にその喉を利かせます。
女房を姐御(あねご)と言い、歯切れの良い、気風の良い、江戸っ子気質が見事です。
今でも浅草界隈ではこのご神燈(神前に捧げる火)を掲げています。
木遣りとは、掛け声をかけながら材木を運ぶことで
その時に唄うのが「木遣り」だそうです。
それが 祭りの山車をひく時や祝儀の際にも唄われる様になりました。
この曲は幕末の頃、寄席で唄い始めたと伝えられています。
「くずし」とは調子を変えて陽気に演奏することで、
江戸で三味線入りの「くずし」となり、陽気な座敷歌になったそうです。
深川の木場、新木場界隈に木遣りの名残りがあります。
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以下、小菊師匠の出演が予定されている今後2ヶ月の演席のうちの定席のスケジュールです。
6月 上席 池袋演芸場 夜席
6月 中席 浅草演芸ホール 昼席
6月 下席 末広亭 昼席
7月 上席 鈴本演芸場 昼席
7月 上席 浅草演芸ホール 昼席
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Copyright© 2009 Matiere

今日(2009.6.7)は出身高校・都立武蔵高校の同窓会総会に行きました。
総会は、例年通り、武蔵高校の下車駅・JR中央線武蔵境駅北口のすぐ近くにある
武蔵野スイングホールで開催されました。
総会議事終了後のアトラクションは、各界で活躍されている武蔵高校の卒業生によるイベント。
今年は、後輩の柳家小菊師匠の三味線弾き唄いのミニライブ。
小菊師匠は、寄席にはなくてはならない楽曲の名手です。
小菊師匠が舞台に登場されると、
満員のスイングホールのイベント会場は、江戸情緒豊かな艶な雰囲気に包まれました。
なお、冒頭に掲載した楽曲は、当日の録音ではありません。
当日はレコーダーを持参しなかったため、インターネットで公開されているものを使用させて頂きました。
柳家小菊さんのライブはいつも大人気で、すぐにいっぱいになるそうですが、その唄を初めて聞きました。
可愛げさと面白みに満ちて、かつ色気が漂っていました。粋曲が初夏の清涼剤になりました。
柳家小菊師匠は落語協会に所属し、東京の寄席を中心に、
新内と端唄、俗曲、都々逸などを演奏して観客の心を酔わせていますが、
目指すは「江戸の音色で大人のラブソング」とおっしゃっています。
江戸・明治・大正・昭和と、楽曲師が寄席で歌い継いできた流行歌の数々。
今絶好調の柳家小菊師匠の唄と三味線とおしゃべりで、
総会の終わった会場は、華やかで色っぽい雰囲気に変わりました。
同窓生からアンコールのリクエストあり。
師匠曰く、寄席楽曲のアンコールなんて初めてです!
以下、柳家小菊師匠のプロフィールです。
生年月日: 不明(本人は知っていると思いますが!)
本名: 不明(本名はあると思いますが!)
所属: 落語協会
芸種: 粋曲(寄席楽曲)
出身地: 東京都府中市
出身校: 都立武蔵高校、早稲田大学文学部
芸暦:1973年 柳家紫朝(鶴賀喜代太夫)に入門
1979年 新内師範として鶴賀喜代花の名を許される
受賞暦:1976年 ゴールデンアロー賞 新人賞
1977年 フジサンケイグループ放送演芸大賞 ホープ賞
CD: 「江戸のラヴソング」弾き語り寄席のうた (ソニーミュージック SICL148)
趣味: パッチワークキルト、スポーツ観戦(観るだけ)
近況:東京の寄席を中心に新内と端唄、俗曲、都々逸などを演奏。
めざすは「江戸の音色で大人のラブソング」。
住吉木遣り連「大江戸小粋組」の一員として木遣りと住吉踊り(*)でも活躍中。
リンク:「住吉木遣り連 大江戸小粋組」(サポーター:永六輔)
http://udanji.cool.ne.jp/profile/koiki.html
(*)「住吉踊り」は、大阪・住吉神社の神事に由来し、江戸に"入府"して「かっぽれ踊り」となり、
これを古今亭志ん朝が、寄席の余芸として復活させた伝統芸能だそうです。
「かっぽれ」に「奴(やっこ)さん」「あねさん」など、粋で洒脱な踊りの数々を披露し、
浅草演芸ホールの夏の風物詩となっています。
CD: 「江戸のラヴソング」弾き語り寄席のうた
曲目
1.梅は咲いたか
2.欽来節
3.蛙ひょこひょこ
4.長崎ぶらぶら節
5.羽織着せかけ
6.涙かくして
7.都々逸(一、二)
8.二上がり新内
9.淡海節
10.両国風景
11.木遣りくずし
12.深川くずし
13.伽羅の香り
14.都々逸(三、四)
15.とっちりとん
16.年中行事(春雨)
17.相撲甚句
18.博多どんたく~どんどん節~奴さん
19.明神の御祭礼
20.せつほんかいな
21.楽屋のおはなし-解説文に代えて
CD録音:2006年3月8日/9日
「小菊をきく会」(国立演芸場ライヴ)
柳家小菊(唄・三味線ひき語り)
ここで、江戸端唄の名曲「木遣りくずし (きやりくずし)」の歌詞を
手持ちの故・江利チエミさんの古いLPレコードから、少しばかり転載します。
現在、端唄は非常に少なくなっています。
端唄は庶民が口ずさんだ、今で言う流行歌みたいなものです。
この歌の中には
庶民の生活、日々の情景、江戸の風情、恋歌、色々な要素があります。
--- 木遣りくずし ---
格子造りに ご神燈下げて
兄きゃ家かと 姐御に問えば
兄貴ゃ二階で 木遣りの稽古
音頭取るのは アリャ 家 (うち) の人
エンヤラヤ サノヨーイサ エンヤラヤ
エンヤラヤレコノセー
サノセー アレワサ エンヤラヤー
江利チエミさんのバージョンは、かなりアレンジしてあって、
ラテン系の味付けになっていますが、江戸端歌にうまくマッチしています。
小菊師匠は、とても威勢よく歌われています。
この唄は、江戸の鯔背(いなせ)な[粋で勇み肌の]若衆[若者]の
祭りに掛ける心意気を謳いあげています。
日頃木遣りの稽古に励み、祭りの本番にその喉を利かせます。
女房を姐御(あねご)と言い、歯切れの良い、気風の良い、江戸っ子気質が見事です。
今でも浅草界隈ではこのご神燈(神前に捧げる火)を掲げています。
木遣りとは、掛け声をかけながら材木を運ぶことで
その時に唄うのが「木遣り」だそうです。
それが 祭りの山車をひく時や祝儀の際にも唄われる様になりました。
この曲は幕末の頃、寄席で唄い始めたと伝えられています。
「くずし」とは調子を変えて陽気に演奏することで、
江戸で三味線入りの「くずし」となり、陽気な座敷歌になったそうです。
深川の木場、新木場界隈に木遣りの名残りがあります。
ここで、飛び入りです。以上を書いたあと、
江利チエミの「木遣りくずし」と「さのさ」がYouTubeに
公開されているのを見付けましたので、紹介します。
「木遣りくずし」 江利チエミ(音声のみ)
「さのさ」 江利チエミ
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以下、小菊師匠の出演が予定されている今後2ヶ月の演席のうちの定席のスケジュールです。
6月 上席 池袋演芸場 夜席
6月 中席 浅草演芸ホール 昼席
6月 下席 末広亭 昼席
7月 上席 鈴本演芸場 昼席
7月 上席 浅草演芸ホール 昼席
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