詩・青春(Youth)

戦後の日本人に勇気と希望を与え、高度経済成長の原動力にもなったサムエル・ウルマンの不滅の名詩「青春(Youth)」について紹介します。中高年層に愛好者が多かったように思いますが、「千の風になって」で話題になった作家・新井満氏の新訳の影響でしょうか、最近は若い世代の愛好者も増えてきたようです。

Youth(青春)

画像
Samuel Ullman



英詩"YOUTH"(青春)Original版朗読
"Youth is not a time of life; it is a state of mind..."
from Samuel Ullman's "Youth"
http://www.dogwood.com.cn/mp3/Youth.mp3



詩のホームページ「詩誌・東西南北 (Poetry Plaza in Japanese)」 のなかの 「私たちの名詩朗読喫茶室」のページで、サミュエル・ウルマンの『青春』の朗読が日・英両国語で収録されています。

サムエル・ウルマンの永遠の名詩「青春」には、
 1)Original版「Youth」とその訳詩(宇野収、作山宗久訳)
 2)The Reader's Digest版「Youth」とその訳詩(岡田義夫訳) 
の2つがあります。以下、それぞれの訳詩と英詩を示します。

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青春
サムエル・ウルマン 宇野収、作山宗久訳 三笠書房

Original版「Youth」の訳詩



青春とは人生のある期間ではなく
心の持ち方をいう。
バラの面差し、くれないの唇、しなやかな手足ではなく
たくましい意志、ゆたかな想像力、もえる情熱をさす。
青春とは人生の深い泉の清新さをいう。

青春とは臆病さを退ける勇気
やすきにつく気持ちを振り捨てる冒険心を意味する。
ときには、20歳の青年よりも60歳の人に青春がある。
年を重ねただけで人は老いない。
理想を失うときはじめて老いる。
歳月は皮膚にしわを増すが、熱情を失えば心はしぼむ。
苦悩、恐怖、失望により気力は地にはい精神は芥(あくた)になる。

60歳であろうと16歳であろうと人の胸には
驚異にひかれる心、おさな児のような未知への探求心
人生への興味の歓喜がある。
君にも我にも見えざる駅逓が心にある。
人から神から美、希望、よろこび、勇気、力の
霊感を受ける限り君は若い。

霊感が絶え、精神が皮肉の雪におおわれ
悲嘆の氷にとざされるとき
20歳だろうと人は老いる。
頭を高く上げ希望の波をとらえるかぎり
80歳であろうと人は青春の中にいる。

出典:http://www.netwave.or.jp/~wbox/noseishu.htm

書籍:『サムエル・ウルマンの「青春」という名の詩 (知的生きかた文庫)』(三笠書房刊、宇野 収 ・作山 宗久著)のアマゾンのページはこちら

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青春
サムエル・ウルマン 岡田義夫訳

The Reader's Digest版「Youth」の訳詩 


青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。
優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、
安易を振り捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言うのだ。
年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。
歳月は皮膚のしわを増すが、情熱を失う時に精神はしぼむ。
苦悶や、狐疑や、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年
月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。
年は七十であろうと、十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。
曰く驚異への愛慕心、空にきらめく星辰、その輝きにも似たる
事物や思想に対する欽仰、事に処する剛毅な挑戦、小児の如く
求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味。

  人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる。
  人は自信と共に若く 失望と共に老ゆる。
  希望ある限り若く  失望と共に老い朽ちる。

大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、そして
偉力の霊感を受ける限り人の若さは失われない。
これらの霊感が絶え、悲嘆の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし、
皮肉の厚氷がこれを固くとざすに至れば、この時にこそ
人は全くに老いて神の憐れみを乞うる他はなくなる。


(脚注) 逞しき(タクマしき)がっしりしてつよい
     怯懦(キヨウダ)おくびょうで気の弱いこと
     却ける(シリゾける)後退させる
     孤疑(コギ)疑ってためらうこと
     恰も(アタカも)まるで ちょうど
     芥に(カイに)ごみ
     曰く(イワく)言うのには
     星辰(セイシン)星のこと、辰は天体のこと
     欽仰(キンギョウ)つつしみあおぐ
     剛毅(ゴウキ)意志が強固で不屈なこと
     悲歎(ヒタン)悲しみ嘆くこと 歎は嘆と同じ
     蔽い(オオい)遮蔽する

出典:http://www.cc.rim.or.jp/~matu-mik/seisyunnouta.htm

書籍:『サムエル・ウルマンの青春―永遠の感動 (文庫)』(扶桑社刊、サムエル・ウルマン 著、岡田 義夫 訳)のアマゾンのページはこちら

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Original 版
Youth
Samuel Ullman


サムエル・ウルマンのYOUTHの原詩です。

Youth is not a time of life,
it is a state of mind.
It is not a matter of rosy cheeks, red lips and supple knees,
it is a matter of the will, a quality of the imagination, a vigor of the emotions,
it is the freshness of the deep springs of ilfe.
Youth means a temperamental predominance of courage over timidity of the appetite,
for adventure over the love of ease.
This often exists in man of sixty more than a boy of twenty.
Nobody grows old merely by a number of years . We grow old by deserting our ideals.
Years may wrinkle the skin, but to give up enthusiasm wrinkles soul.
Worry, fear, self-distrust bows the heart and turns the spirit back to dust.
Whether sixty or sixteen, there is in every being's heart the lure of wonder, the unfailing child-like appetite of what's next, and the joy of the game of living. In the center of your heart and my heart there is wireless station, so long as it receives message of beauty, courage and power from men and from the Infinite, so long are you young.
When the aerials are down, and your spirit is covered with snows of cynicism and the ice of pessimism, then you are grown old, even at twenty, but as long as your aerials are up, to catch the waves of optimism, there is hope you may die young at eighty.

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The Reader's Digest 版

Youth


原詩とは異なりますが、、“How to Stay Young”という題で1945年12月号の『リーダーズ・ダイジェスト』に掲載されたと思われる詩です。

Youth is not a time of life____it is a state of mind;
it is a temper of the will, a quality of the imagination,
a vigor of the emotions,a predominance of courage over
timidity,of the appetite for adventure over love of ease.
Nobody grows old by merely living a number of years;
people grow old only by deserting their ideals.
Years wrinkle the skin,but to give up enthusiasm wrinkles the
soul.
Worry, doubt, self-distrust, fear and despair-these
are the long, long years that bow the head and turn the
growing spirit back to dust.
Whether seventy or sixteen,there is in every being's
heart the love of wonder, the sweet amazement at the
stars and the starlike things and thoughts, the undaunted
challenge of events,the unfailing childlike appetite for
what next,and the joy and the game of life.
You are as young as your faith, as old as your doubt; as
young as your self-confidence, as old as your fear, as
young as your hope, as old as your despair.
So long as your heart receives messages of beauty, cheer,
courage, grandeur and power from the earth, from man and
from the infinite, so long you are young.
When the wires are all down and all the central place
of your heart is covered with the snows of pessimism and
the ice of cynicism, then your are grown old indeed and
may God have mercy on your soul.

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「Original 版」は、詩集『80年の歳月の頂から』(From the Summit of Years, Four Score)に収められた形のものです。 「The Reader's Digest 版」は、1945年12月号の『リーダーズ・ダイジェスト』に掲載された形のもの、と思われるものです。(なお、『リーダーズ・ダイジェスト』に掲載された時は、“How to Stay Young” という題だったそうです。)
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 サミュエル・ウルマン(Samuel Ullman, 1840年 - 1924年)は、ドイツ・ヘッヒンゲン出身のアメリカ合衆国の実業家。(詩人、教育者)。ユダヤ系ドイツ人であったため、迫害を避けアメリカへ渡る。 アラバマ州バーミングハムに住み、荒物商を営みながら執筆を続けた。80歳の記念に自費出版した『80歳の歳月の高見にて』に収められた詩「YOUTH」(青春)は名高い。この詩は第二次世界大戦後、アメリカの雑誌リーダーズ ダイジェストに掲載され、連合国総司令官を務めたダグラス マッカーサー元帥が座右の銘として執務室に掲げたことから、日本でも知られるようになった。経済界の先に立つ人物の間では古くから有名で、故・松下幸之助氏も座右の銘としていたと言われている。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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随想 ウルマンの『青春』(依田 昌三 著)より一部転載

 ウルマンの『青春』には二種類の翻訳があって複雑なねじれ現象を生んでいる。「青春とは人生のある時期をいうのではなく心のもち方をいうのだ」として、肉体的な若さではなく理想を追求する情熱や、勇気、冒険心などを持っているかどうかが決め手だ― と言っている点は両者とも同じだが、大きく違っている部分もある。

 昭和二十一年、最初にこの詩をわが国に紹介した岡田義夫氏は、マッカーサーが座右銘にしていたものを翻訳したといわれるが、格調高い名訳で多くの人の心を捉え、ウルマン・フィーバーが起こったといわれる。その後、この岡田訳『青春』に感動した宇野収、作山宗久両氏の尽力によってウルマンの生涯が明らかになるとともに原詩が発見された。しかし、その結果マッカーサー/ 岡田版は原詩ではなくて、何者かが一部を改作したものの翻訳である事も判明するという皮肉な結果になった。細希望ある限り若く 失望と共に老い朽ちるという部分が原詩には無かったという事実は岡田訳でウルマンを知った人々にはショッキングなニュースだった事と思われる。

 昭和六十一年になって作山氏が原作に忠実な翻訳を出版した。作山氏の翻訳も良くこなれた立派なものであるがなぜかあまり普及せず、今でもウルマンの『青春』といえば岡田訳― と相場が決まっている感がある。敢えて言えば本物よりも、偽物とまでは言えないにしろ原作を離れた改造版の方が幅を利かすというおかしな状況が続いている。

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岡田訳の評価

オリジナル版の原文は、リーダーズダイジェスト版とかなり食い違っています。したがって、訳詩も大きく異なっています。
たとえば、オリジナル版には、若さの象徴としての
「It is not a matter of rosy cheeks, red lips and supple knees,
(バラの面差し、くれないの唇、しなやかな手足ではなく)」という言葉が入っていますが、
リーダーズダイジェスト版には、この言葉は入っていません。当然、岡田訳にも入っていません。
「千の風になって」で話題の作家・新井満氏は、新作朗読詩集「青春とは」の中で、オリジナル版であろうと、リーダーズダイジェスト版であろうと “「岡田訳」は見事!芸術の品格、これを超えるものは無い” と60年も経た今日“喝破”しています。

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新井満「青春とは」について

永遠の名詩、サムエル・ウルマンの「Youth」の知られざるオリジナル版原作詩を、「千の風になって」で話題の作家・新井満氏が、2005年3月に大胆な自由訳で発表しました。講談社の美しい一冊、新作朗読詩集「青春とは」の中に、写真とともに甦りました。既に大ヒットしています。

また、ポニーキャニオンからCD新井満の朗読詩集「青春とは」が発売されています。「青春とは」「千の風になって」などの朗読が収録されています。

アマゾンの書籍はこちら。CDはこちら

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The Reader's Digest版「Youth」の訳者は誰?

サイト http://www.sesshuukai.com/HTML/SEISHUN.htm 『日本翻訳版の「青春」(松永安左エ門訳との説)』と書いてありましたが、これをみて、オヤッと思いました。

The Reader's Digest版(マッカーサー版)「Youth」の詩の訳者は、松永安左エ門訳と書かれているページと、岡田義夫訳と書かれているページがあります。訳詩そのものに心に響くものがあればと思い、訳者の名前は気にしていなかったのですが、ことのついでに調べてみました。

新井満氏は、新作朗読詩集「青春とは」の中で、The Reader's Digest版の訳者は岡田義夫であると述べています。

いくつかのサイトの記事を集大成して、顛末を追ってみましょう。
1) 1945年12月号のリーダーズダイジェスト誌が、ウルマンの詩"Youth"を載せました。
2) 太平洋戦争直前、マッカーサー将軍が極東軍司令官としてマニラに赴任する時、
友人であるコーネル大学のJohn W. Lewis(ルイス)教授が、この詩を餞別にマッカーサーに贈りました。
3) 第二次大戦終了後、マッカーサー元帥は、座右の銘として日比谷の占領軍総司令部の執務室に掲げました。
4) それを知った日本フェルト工業統制組合専務理事の岡田義夫氏が訳して、オフィスに貼っておきました。
5) それを見た元旧制桐生高等工業学校教授の森平三郎氏が感動して、1958年に地元新聞群馬県桐生の東毛毎夕新聞コラム「雑草苑」に岡田義夫訳の「青春の詩」を紹介しました。また教え子たちにも紹介しました。
6) 森平三郎氏の桐生高校の教え子の中に元ソニー電子株式会社社長の松尾稀勝氏がおられました。また、桐生高校の同窓生に元サンヨー電器販売株式会社社長の木本陽三氏がおられました。この関係で、詩は社内、友人、知人、取引先に配布されました。
7) その後、電力業界の松永安左エ門氏、松下電器の松下幸之助氏、ソニーの盛田昭夫氏、東洋紡の宇野収氏などが好んで引用して伝道師役を果たしたようです。
8) 1965年に宮澤次郎氏(凸版印刷常務トッパン・ムーア社長/会長) が、原作者・翻訳者を情熱的に追求され、原文を入手して原作者名(サムエル・ウルマン)が判明しました。1985年に、岡田義夫翻訳を確認。約一万人の人々に「青春の詩」を配布、感動を伝えました。

こちらのサイト"<随想>「岡田訳*青春の詩と私」さいたま市 八巻克美氏" http://ykk.jnts.ne.jp/zuisou.pdf も参照して下さい。PDFファイルです。

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「青春の会」と「新青春の会」

 1985年、サミュエル・ウルマンの詩に心を深く打たれた宮沢次郎トッパン・ムーア会長の精力的な運動によって「青春の会」が発足、財界産業界のとトップたちの共感を呼び、静かにして強力な活動がはじまり、その活動は一つの大きなうねりとなって日本全国を覆い始めました。

 その2年後の1987年、財界人200名による「青春」と作者をたたえる大会が開催されました。ウルマンの遺族である孫二人も招かれ、東京で「青春の集い」が開催されました。1992年サミュエル・ウルマン賞が制定されました。そして各界から浄財が募られ、ゆかりの地アラバマ州バーミングハムにサムエル・ウルマン記念館の開館となり、彼の胸像も建立されました。

 「青春の会」は、宮沢次郎会長の死去に伴って、2003年3月に解散し、同年10月に「新青春の会」が発足しました。現在、事務局は東京都練馬区貫井にあり、「青春の詩」に学び、会員相互の親睦を図るとともに、詩文の普及などの活動を行っています。入会の制限はなく、青春といっても年齢制限もありません。サイトはこちら→http://www.seisyun.jp/index.html

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参考サイト

(英語)
『So Long Are You Young: Samuel Ullman's Poem and Passion』
http://mvff.com/node/1885/

(日本語)
『Good News Collection: 「青春」という名の詩 サミュエル・ウルマン』
http://blogs.dion.ne.jp/mrgoodnews/archives/4816474.html

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